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楽器の質感をリアルに描き分け、コンサートホールで聴く感触

愛知県 MKさん

ある日舞い込んで来た、豆粒のような可愛らしいインシュレーター。名前はsonorite。クアドラスパイアのラックの中で、激しく発熱しているミュージカルフィデリティA1000Aを持ち上げ、オーディオリプラスのOPT-1HRと交換する。音楽を再生してみると、少し抜けが悪い。「売ってしまおうか-」。ふと湧いてくるそんな邪念を振り払い、A1000Aの下で試行錯誤を繰り返す。モニター報告を書かねばならないのだ。「良かったです」とは書き難い。

リラクサ2プラスの上でsonoriteを使用した時、突如タオックFC3000から陰影豊かな音楽が溢れ出してきた。リラクサのみの使用では、伸びやかで心地よい感触ながら表情がさらりとし、音楽が心に届かぬもどかしさがあった。ところがsonoriteとの併用では音色が多彩になり、音楽に血が通う。
sonoriteをスピーカーの下にも試してみたくなり、すぐに2セット注文。それまで使用していたJ1プロジェクトのコーンタイプと交換してみた。J1はクリアな音質で、音像と音像の間が透明。ソノリーテは楽器の質感をリアルに描き分け、音像と音像の間に気配があり、コンサートホールで聴くような感触がある。sonoriteの方が録音の古い演奏からオーラが伝わり、ロックの再生では生々しい音像がぐっと張り出してきて情熱的。音楽の躍動を伝えてくれるsonoriteに、スピーカーの下も任せることにした。

『メモフローラ・吉松隆作品集2』を聴く。以前のリプラス、MEI、J1プロジェクト時代の音は静寂さが際立ち、澄み切った冬の星空のようだった。ソノリーテを一部導入した今の音は、透明だけれど仄かに温かく、「銀河鉄道の夜」を想起させる。胸が苦しくなるような叙情的表現となった。私のシステムに、長らく失っていた濃密さが戻ってきた。私のシステムに長らく失っていた濃密さが戻ってきた。永きに渡り封印してきた「トリスタン」をこれでやっと聴くことができる。 イルンゴ・オーディオに感謝。